花璃です。
BBAの問はず語り続編です。
前項では買い専と創作者としての自分を考えましたが、ライトに読み手編を読みたい方は前項は飛ばしてこの記事だけ読んでください。
俯瞰編と内容がかなりかぶります。
①サイト以前の状況
⑴同人誌(新刊)
イベントに行けば、覇権ジャンル(GW)の本は多少売っていましたが、その他のジャンルは田舎の即売会では買うチャンスはないので完全に通販頼みです。そして、勿論自家通販しかも、中学生なので実家に送られてくるわけです(泣)。
わたしはその頃から一丁前に「htrはイラン」みたいな生意気な中学生だったので山盛りもらったペーパーをイベント帰りに友達とマックで厳選して、手分けして通販しました。
というか、一緒に行っていた友達とは欲しい本が全然違ったので、もしちょっと興味があるものを友達が通販しようとしていたら貸してもらおうかな。という感じです。
勿論、田舎の即売会で貰えるペーパーなんて数が知れているので、非覇権ジャンル者や本気なお姉さんたちは東京まで行っていたことでしょう。
⑵同人誌(中古)
乗換駅の近くにある古本屋さんに、トルーパー、キャプテン翼、聖闘士星矢あたりの古い同人誌がたくさんありました。
それこそ偉大なる先人たち(近所の女子大生?)が東京に遠征して手に入れてきたはずのお宝です。
一緒にイベントに行っていた子ではないのですが、女子校の同級生には、尾崎南先生の信者(?)で先生の同人誌を全部持ってる子が何人かいました(これだから女子校は……)。古本屋さんで見掛けるとプレミアが付いていましたが、どうやって集めていたのでしょうか?
古本屋さんの同人コーナーのほぼ8割を埋め尽くす同人バブル期の同人誌。圧倒的な物量と古紙の独特の匂い(と古臭いお耽美絵)にためらっていたけれど、なんとなく手に取ったらすごく濃厚で面白かったです。
漫画・小説が混在する構成でしたが、AB・BC・ACの三つ巴の関係性に終始どきどきしました。
一方、その頃好きだった高◯ゆん先生のエロ同人誌がたまたま入荷していて金ピカ表紙に線画箔押しのすごく豪華な装丁で当時流行していた美少女戦士の綺麗な本でした。
高河◯ん先生が好きだったので買ったのですが、中身は半分以上ご主人が描いている版権男性向けエロだったと思います。婆絵同人誌は当たりでしたが、こちらは、すごくがっかりしました。絵は綺麗だけど中身はエロだけだったからです。
全然どきどきしない。
「美人は三日で飽きる。ブスは三日で慣れる」
と言いますが、
「婆絵は三日で慣れる。抜きエロは三日で飽きる」
を中学生にしてすでに実感したかも知れません。
⑶商業BL(あまり関係ないですが)
雑誌でいうと、JUNEとか麗人とかB-BOYとかありました。
さすがに月刊誌を読むほどではなかったのですが、好きな作家さんがいて、JUNEピアスとかB-BOYコミックスは買ってました(作家読みするタイプ)。
当時は密林なんてないので本屋さんで真っ赤になって「ギャーーーー」ってなりながらお姉さんに差し出すんです。
住所バレする新刊通販よりもイヤでしたね。
(そもそもその頃は同人誌が欲しい一心なので、住所バレなんて概念もあまりありませんでした。今のように、一人の人に住所を知られただけでネットで拡散される。なんてこともありませんでしたからね。)
書店のお姉さん「(あら、この子ホモが好きなのね)(薄笑)」
って思われると思うと。
B-BOYで買った作家さんのは一作目は双子ものですごくハマったんですが、二作目は一言で言うと攻が黒髪長身無口で壁ドンで茶髪小柄の健気受?でした。それ自体は地雷でもなんでもないんですが、攻めの彼女として出てくるモブ女がアップ以外全てアシ絵で言動も???ですごく胸糞悪くなったのでそれ以降は買いませんでした。
BLででてくる女性の描写には以降もとても敏感です。
女性の登場自体はやぶさかではないんですが、描写は苦手なのが多いです。
BLは、当て馬の女の子に女の厭な部分が凝縮されやすい気がしています。女性の作家が描いているのもあって、リアリティもあるから余計厭なんだと思います。
②サイト時代
⑴いきなり国際化
わたしはBrokeback Mountainで二度目の腐落ちをしたので最初はいわゆる洋物にいました。
まずはBBのDVDとノベライズ(英語)をUKのアマゾンから個人輸入(同じリージョン2な上に英語字幕付き)。そこからUKアマゾンのお勧めゲイ映画をポチる&Youtubeでコラージュビデオを見まくる。
同人誌どこに行ったの?
って感じですよね。インターネットのない頃は、ホモといえば同人誌だったのに。
自宅で手軽に、世界を股にかけて萌えられる時代。
いい時代になったものだ(しみじみ)。。
QaFのファンブックや同人グッズはe-Bay経由でカナダの有志のオバちゃんに分けて頂きました。なぜおばちゃんと分かったかというと、GmailのアイコンやHPでめちゃめちゃ顔出ししていたからです。
海外腐女子が多いジャンルにいたことがありますが、Twitterを覗くと
「I'm a Yaoi fan!」
とか自撮りアイコン(本名もままある)で普通にプロフに書いてあったり、FBで実名でforumやってたりするから本当に驚きます。
萌えは国境を越えるけど、
心までは国際化出来ないorz
グッズはTシャツとかテディベアとかありましたね。北米は同人グッズもロットがでかい(小ロットがない)らしいので、かなり本気でされていたと思います。種類も5種類くらい、サイズもXSからXXLくらいあって在庫とかどうされてたのか。。
別の業者からですが、QaFのブライアンとお揃いのブレスレットとかも買いました。30ドルくらいかな?
e-Bayでは500ドル振り込んで何も送ってこない詐欺にも遭いましたが、腐萌えが世界を一つにする、いい時代になったことを実感していました。
⑵合い言葉は検索避け
2度目の腐落ちをする前、2002年の日韓W杯頃から、『海外イケメンサッカー選手◯◯の写真館』みたいなサイトはたまに見ていました。お気に入り選手◯◯のゴシップをアップデートするためにイタリアの新聞を訳してる方とかいらっしゃって、
「すげーなおい」
って思ってました。
そういうサイトは高率に黒背景に羽根とか蝶とか紫のデコレーションとかしてあって、
「だ、ダサい……」
って思ってたんですが、あれも一種の同人サイトだったんだと気がつくのは数年後のこと。。
腐落ちしてからしばらくQaFのfandomにいたわたしは、日本の腐向け(2005年頃は腐向けという言葉はなかったと思います)にも興味を持って何度かグーグルで検索していたのですが、全然引っかかりません。
「なんで???」
っていつも思っていました。漫画とかよりもマイナーなサッカー選手のサイトはたくさん見つかるのに!と。
そして、あるとき漸く金脈を引き当てたのです!
それは、
サーチ・検索サイト
と呼ばれるものでした。ここから無限に開くホモの扉!!!!!
やったぁ!
サーチ・検索サイトというのは、登録制であるジャンルの同人サイトをカップリング名や小説・18禁ページの有無などで検索できるものです。
当時は二次創作サイトは検索避けが徹底しており、大手検索で引っ掛からない代わりに、有志の方が特化した検索サイトを運営してくださっていました。(◯◯同盟という名の、カップリングだけの名簿のようなものもありました。)
当時のわたしはとりあえず、カップリング指定なし・18禁サイトのみで検索し、気に入ったサイトがあればブラウザブックマークしていました。
そう、今でいう雑食です。
けれど、いつもお腹が空いていました。
同人サイトが林立しているので読むものには困らなかったんですが、
『同人特有の設定』
というのがあり、食傷することがありました。原作と全然違う口調だったり、複数カップリングで攻と受が同じようなキャラ立ちだったり。
(「◯◯可愛いよ。いいだろう?」みたいな攻と「イヤ……そんな……ダメ……あああっ!!!」みたいな受というか)
大きいCP(取り扱いサイト数が多いCP)ほどそういう傾向が大きかった(あくまで自分のなかで)ので結果として、どのジャンルでもマイナーCPばっかり読んでました。
マイナーCPの方が作家さんの個性が立っていて面白いと思ったからです。
わたしはありきたりの同人設定じゃなくて、その作家さんなりのそのキャラ、CP、創作が読みたい。
勿論、作家さんの作風が受け付けないこともあります。
そういうときもそのサイト自体に行かないので特に致命傷を負うことなく済んでいました。
「サイト時代は地雷に遭わなかった」
っていうのは、嘘じゃないと思います。好みじゃないときはサイトに行かないので、回避できていたんです。地雷は爆発するまではただ埋まってるだけなのですから。
⑶よろずジャンルサイト
これはあくまで個人的な意見ですが、『よろずジャンルサイト』(複数ジャンルの二次創作を載せているサイト)として運営されているサイトさんでいいなと思って通ったところはほとんどありません。特に文字の場合。
「これだけしか作品がないのにサーチに登録するなよ(怒)」
ってくらい目当てジャンルの作品が少ないこともありましたので。
サイトをいくつかされていて、それぞれのサイトが独立しているけれど繋がっている場合などで(Indexが一つでtopは別など)、その方の作品から新しいジャンルに追いかけて行ってハマったことは何度もあります。
そこら辺の違いはよく分からないのですが、
「新しいサイトを作るまでもないけど描いてみた(書いてみた)」
っていうのが作品にも出ていたのかもしれません。
⑷商業BLは密林で箱買い
商業BLはオッサン受とかショタ攻とかSMとか性癖で買えるのでキャラじゃなくて性癖で読みたいときは密林で商業をポチってました。
作家買いもしましたが、性癖買いもしました。密林お勧めアイテムの奴隷です。
キャラ萌えCP萌えしたいときは同人サイト、エロは商業って感じです。
⑸池袋乙女ロードへ
男装コスプレイヤーのCさんと初めてのデートをしたのが池袋(と秋葉原)です。
ホモ好きは恥ずべき変態趣味だと思っていたわたしにとっては、オタク・腐女子が大手を振るって歩く所がある、そんな時代になったということが衝撃でした。
秋葉原では本屋さんに見たこともない同人誌(ブラックジャックとか) が置いてあるのを発見し、思わず衝動買い。その値段(2500くらいだった)にも驚きました。
本屋さんで同人誌が売っている!!!!
という衝撃。そう、そこでは同人誌の書店委託が行われていたのです。
まさにミラクルワールド!!!
③そして伝説へ
昨年の初めに三度目の腐落ちをして、サーチへ行き、嬉々としてサイト巡りをしていたのですが、休止中、存在しません、アイコン×じるしのサイトの多いこと多いこと。
僅か数年の間に、サイト文化がすっかり廃れていたのです。
僅かな存続サイトさんのtopの
「Twitterにいます」
や最新エントリーが2年前の
「Twitterまとめ」
で途切れているブログなどを見てTwitterを見てみると、いるいる!!!
腐女子はここにいる!!!!!
サイト時代は既に、BBAの問はず語りに登場する伝説のものとなっていたのでした。
⑴先ずはツイート検索
ツイート検索で好きCPを呟いている人をフォローする。フォローのフォローをフォローする。など。
周りがCPで固まりやすく、作風よりもCP重視?になりやすい?傾向を感じます。
同じCPだと思って繋がっても、
「誰それ???」
って思うような二人でフェイドアウト(というよりリムブロ)する世界。
繋がれば繋がるほど地雷が増える。
この世は、地獄か?
⑵GoogleからPixiv作品へ
二次創作同人といえば検索避けがデフォルトだったのはもう昔話。今となっては、カプ名でググると大抵Pixiv百科事典がtopに来るという体たらくです。
大検索時代なので仕方がないのでしょう。
そしてPixivに関しては基本がタグ検索です。
特にカップリングタグ。
同じABというCPでも◯◯さんのAB(スパダリ攻×はわわ受)と△△さんのAB(童貞攻×ビッチ受)は別物だと思うんですが、同じCPタグです。
作風の部分が無視されてるところが、CPタグ検索の欠陥だと思いますね。
そして、ブックマークがいっぱいついてる作品が巧いとは限らない。(下手くそでも面白い作品、雑だけど萌える作品、交流の多い人の作品にもブクマがつく)
とにかく投稿者数が多く、サムネの山から神作品を探すのが大変。
とか言いつつ、わたし自身も変わり種だったり、ウケる〜〜って思う作品をブクマすることが多いですね。
巧拙よりも創造性っていうか、発想をブクマしてる感じでしょうか?
Pixivって媒体自体がTwitterと連動しているのもあって、じっくり読ませるよりもネタ消費向きなのかなぁって感じはあります。
⑶Pixivお品書きから通販へGO!
いい時代になりました。しみじみ。。
わたしは即売会に行って楽しいと思ったことがない(男の人が風俗に行くってこんな気分なのかなと思います)ので、欲しい本があれば自宅でポチれるのは本当に最高です。
欲しいと思う本があまりないことが難点。
やっぱり、即売会に行くと購買意欲に火がついて、手当たり次第買ってしまいますものね。(そして後ですごく荒んで鬱になる)
新刊絨毯とかカプ絨毯とかしても、地方者が東京に行く経費を考えたら通販手数料よりも安い?ですしね。(ジャンル規模にもよりますが)
自家通販も色々とツールがあるようですが、わたしは絶対に自家通販では買いません。
書店通販だと普通の通販と同じ感覚で買えるのですごく良いです。
つまり、それだけ同人の世界も商業化されているってことで、購買意欲をそそらない本は売れない。
購買意欲をそそるっていう部分が苦手な人は内容に触れられるまでもなく切られるというのはあると思います。
書店の通販サイトで表紙があかんと思ったら買いませんしね。(表紙が良いと思ったから買う、ということはありませんが。)
⑷時代はオンデマンド
サイト時代と比べて、書店委託の規模が段違いです。
昔はコピー本だったようなサークルさんもオンデマンドという印刷だと少部数で書店通販に入れられる、というので本当に多くのサークルが委託されていると思います。
特に最近特筆すべきは、Pixivと印刷会社との連携です。
オンラインで同人始めた方(書き手)にあからさまに本を出させようとしている!
投稿作品のpdf化サービスとかね。
オンラインの書き手というのは本当に、めちゃくちゃ多いので、これからこのPixivの戦略がどうなるのか見ものですね。
オンライン読み専目線だけだとサイト時代はユートピアかもしれない。と思いますね。だけど、同人誌も買うってなると今の方が楽な気がします。
ここまで拙文をお読み頂き、ありがとうございました。
花璃。
*文中で男同士の恋愛関係・及び肉体関係を『ホモ』としてあるのは差別用語だということは分かった上で、その時の心情を表現する為に敢えてこの言葉を使わせて頂いております。ご気分を害された方がおられましたら申し訳ありません。*