リバ厨腐女子ママの考えたこと。

腐女子、創作、セクシュアリティ。

続・homophobiaは存在しない???

花璃です。

先日エントリーに書いた記事の続報が出ていたので今日はそれについて書きます。

fujoshimama.hateblo.jp

 

 

わたしはこの事件について、勿論大学の対応はひどいと思うし、同じゼミのグループLINEでアウティングというのも悪いし、亡くなったA君も可哀想だとは思うんだけど、すごい悪人(被告側の元同級生と大学)と無実の被害者A君のお話だとは、今ひとつ思えないんですよね。色々な歪み(?)がすごく不幸な形で出てしまった事件だと思う。

なんというか、今回の続報は元記事の視点の偏りにちょっと違和感を感じてしまいました。(別に御遺族を責める意図はなく、A君の個人的な背景を無視して一方的に大学&同級生のアウティングが悪いとすることに違和感を感じるということです)

www.buzzfeed.com

まず、冒頭はご家族の紹介から始まります。

BuzzFeed Newsは愛知県内のAくんの実家を訪ねた。物腰柔らかな父親と、上品な母親。意志の強そうな目をした妹さんが出迎えてくれた。 

溜息が出る。というのも、わたしの実家が実際こんな感じで、外側から見たらすごくまともに見えるからです。

専業主婦のお母さんが過干渉気味(本人は無自覚)で、大学院生の息子にモーニングコールしたりするところまでそっくり。A君は調子が悪く、非常事態だったので仕方がないのかもしれないけれど、そんなに調子が悪いのに

「今日は模擬裁判の日だからちゃんと起きて!」

っていうのは……無理させずに、休学させても良かったんじゃないかと思ってしまう。

そして、もし今回の件の前からモーニングコールや毎日LINEが日常茶飯事だとしたら、20代半ばの息子だったら、恋人の家に泊まりに行ったり泊まらせたり、同棲してたりしても全然おかしくないのに子供にプライバシーを許さない感じというか、スマホ越しに、

「あなたは、いつまでもママの息子よ……」

って想いが伝わってきそう……。

そんなお母さんに、A君は一行返事でも毎回お返事をしていたとのこと。本当に、いい息子さんですね。

学校に行ったAくんからは午後2時すぎにLINEで、「吐いてしまい保健センターで寝ている」と報告があった。

今度、親を交えてカウンセラーと一緒に話をすることになったので、よろしく——。

それが、Aくんから母親への最後の連絡になってしまった。Aくんが校舎6階から落下したのは、その1時間後のことだった。

「親にゲイだということを知られてしまう」

と思ったA君が、発作的に飛び降りてしまった。というのが今回亡くなった直接の原因だったらしい。ということです。実際、彼は訴訟の際には証拠となるスクリーンショットや文書などを自宅のPCに保存していて、戦う準備を進めていた。

 「Aの死は突発的な自殺行為によってもたらされたものであって、被告大学の様々な配慮にもかかわらず防止することができなかったことは遺憾ではあるが、人知の及ぶところではない」

というのが裁判での大学の見解だそうですが、飛び降りたA君はその後ベランダの柵に掴まってもがいていたのを目撃されていることからも、一時的なパニックによる「突発的な自殺衝動」の結果で、本人は死ぬつもりではなかったというのは強ち間違いではないのかなと思いました。(だからといって、「だから俺たちには何の責任もない」という大学側の責任逃れにも腹は立ちますが)

亡くなった翌日、両親は大学に説明を求めた。その場で大学側は、こんな風に話を切り出した。

「ショックなことをお伝えします」「息子さんは、同性愛者でした」。

静かに聞きつつ、父親は腹の中が煮えくり返る思いだった。

「同性愛だから何だって言うんですか。確かに知らされてはいませんでしたが……。何が『ショックなこと』だ」

これも、A君が思わず6階から身を投げるほどの動揺に陥った原因が『両親を呼んで話をする(A君がゲイであることを両親にも知られてしまう)』ということだったことから、

大学「やはり君のご両親を呼んで話をした方が……」

A君「辞めてください。僕一人で大丈夫です」

大学「いや、しかし」

A君「両親にショックを受けさせたくないからです」

みたいなやりとりがあって、ご両親が実際にショックを受けるかどうかとは別に、大学側はA君経由で

「息子がゲイ」=「A君の両親にとってはショック」

という風にインプットされていた可能性があるんじゃないかなぁと思いました。

母親には、思いあたる節がないわけではなかった。高校時代、同級生の親から「息子さんがゲイと言われている」と告げられたことがあった。息子の部屋を掃除していて「アレ?」と思うようなものを、見つけたこともあったという。

「だから、もしかしたら、と思っていました。ただ、本人に直接聞いたりはしませんでした。親が干渉することではないと思っていたんです」

干渉することではないかもしれないけれど、彼の中でそれが『親にも話せないこと』になっていないか、誰にも話せなくて苦しんでいないかって、思わなかったのかなぁって思いました。

言葉は悪いけれど、自分がゲイだということになんとなく気づいているお母さんがそのことに触れずにいることで、A君はお母さんが「聞きたくない知りたくない」と思っていると思ったんじゃないかなぁとも思うわけです。

A君のご両親が悪いとかそういうことじゃないんだけど、ご家族のお話の中で、妹さんの

妹は後悔を隠さず、涙ぐみながら話した。

「女が好きでも、男が好きでも、そんなことはどうでもいい。ただ、言える環境を作ってあげられなかったことを、後悔しています。苦しめたのかなって」

っていう言葉がすごくずしんときました。誰かが悪かったわけじゃないと思うけれど、A君の家族の中には「A君のセクシュアリティ」の居場所がなかったってことかなぁと思います。

誰が悪いというわけでなく、コミュニケーション不足?コミュニケーション不良?というか。 

 

アウティングに関しても、勿論良くないことだとは思うけれど、告白から2カ月も経ってからされたというのが、2カ月間の間に何があったのか二人の間のことが分からないのであまり手放しにZ君を責められないと思う。

っていうか、LINEで告白してLINEでアウティングされてっていうのが三十路のオバさんには理解できません。

告白って、一緒にいるときに相手の反応見て、イケそうと思ったらするもんじゃないの??っていうか、告白しなくてもイケそうだったらいつの間にか出来上がっちゃうもんじゃないの???(わたしは古いの?????←答:古い)

 

ママ友の中で、割と仲が良い方の方と話したことがあります。

わたし「差別意識とかじゃないつもりだけど、子どもがゲイだったらどうしようかなぁって思うときがあるんだよね〜ちゃんと対応できるか不安っていうか

ママ友「うん。あるある〜。だからね、ゲイだったらどうしようじゃなくて、『もしかして、ゲイかもしれないな』って考えを心のどこかに置いておくことにしてる

っていうママ友の言葉がすごく良かったなぁって思います。

ゲイとか、ゲイじゃないとかじゃなく、母親として『子供のセクシュアリティ』を意識する。というか。ゲイ・ヘテロに限らず、恋人が出来る度に相手にケチをつけるとか、姑の嫁いびりとか、そんなありふれた問題なんじゃないかな〜

「この子はわたしの子!」

ってだけじゃなくて、

「この子はこんなちっちゃいけど、いつか誰かを好きになるんだ〜」

って。わたしは全然行き届かない駄目な母親ですけど、駄目な母親でも好きでいてくれる子どもがとってもありがたいから、この天使には絶対に幸せになって欲しいと思うんです。

 

さて、今回のエントリーのタイトルの動画です。

www.youtube.com

この動画の後半は、「身内からのhomophobia」の話題。

Calum「うちの祖父さんがお前は偽りの人生を送っている。とか、お前は地獄に落ちるとか言ってくるんだよ」

Riyadh「身内のhomophobiaね。あるある。それつらい奴」

そこであのエピソードが登場。

www.youtube.com

R「俺の場合は父さんがヤバかった。俺がカミングアウトした日、自殺しようとしてさ。床の上を転げ回りながら"Why me? Why me? Why does my son have to be gay?"って泣き叫んでた」

 

大学院で出会ったばかりの他人(告白という形で)や、保健センター、ハラスメント委員会に言うよりも身内に言う方が難しいこともあるっていうことですよね。

 

A君も色々お考えになったと思うんです。ハラスメント委員会がうまくいかなかったとき、自分が民事訴訟を起こしたらどうなるか。

ゲイが公になることで、大学を訴えることで与える影響。お父さんの仕事のことや、将来的な妹さんの結婚のこと、無邪気に自分がいつか結婚すると思っているかもしれないお母さんの家族計画。

家族の中の役割を考えると、しんどかっただろうなぁと思います。

家族が悪いってわけじゃないんですけど、家族の中で、自分がBlack Sheepだという意識というか。

Black sheep - Wikipedia, the free encyclopedia

In psychology, the black sheep effect refers to the tendency of group members to judge likeable ingroup members more positively and deviant ingroup member more negatively than comparable outgroup members.[2]

体調の優れないなか、たった一人でハラスメント委員会の書類を作っていた彼には、大学関係者に「同性愛者」と知られるよりも、大切な家族に、

「どうしてあなたは異性愛者じゃないの???」

って言われる方がつらかったのかもしれないなぁと思ってしまい、家族の難しさを感じました。